韓国ドラマ「悪の心を読む者たち」(原題:악의 마음을 읽는 자들/英題:Through the Darkness)は、韓国初のプロファイラーが誕生するまでを描いた実話ベースの犯罪サスペンスです。2022年1月14日から3月12日まで韓国SBSの金土ドラマとして放送された全12話の作品で、主演はキム・ナムギル。共演はチン・ソンギュ、キム・ソジンです。
原作は、韓国初のプロファイラーであるクォン・イルヨン氏と、元記者のコ・ナム氏が2018年に書いた同名のノンフィクションです。舞台は1990年代末から2000年代の韓国。「プロファイリング」という言葉もまだ知られていなかった時代に、動機の見えない殺人が増えていきます。刑事ソン・ハヨン(キム・ナムギル)は、理解者クク・ヨンス(チン・ソンギュ)とともに犯罪行動分析チームを立ち上げ、連続殺人犯たちと危険な対話を重ねていきます。
この記事では、1話から最終回(12話)までのあらすじを1話ずつ、結末まで紹介します。「どんな事件が描かれるの?」「最終回はどうなる?」と気になる方は参考にしてください。

「悪の心を読む者たち」あらすじ 1話
1998年。幼いころ水中で女性の遺体を見た経験を持つ刑事ソン・ハヨンは、女性ばかりを狙う連続暴行犯「赤い帽子」を夜通し追っていました。
そんな中、一人暮らしの女性チェ・ファヨンが殺害され、裸の状態で見つかります。強力班長パク・デウンは恋人のパン・ギフンを犯人と決めつけ、強圧的な取り調べを進めます。ギフンの目を見たハヨンは、無実ではないかと疑います。近所の家に書かれた謎の数字が世帯人数を表していることを突き止め、鑑識のクク・ヨンスとともに現場で別人の指紋も見つけました。
しかし、ギフンは追い詰められて自白し、有罪となってしまいます。
その頃、「赤い帽子」ことヤン・ヨンチョルが逮捕されます。ヨンスは、最後まで疑問を手放さないハヨンにプロファイラーという道を勧めます。
ラストでは深夜にまた女性が自宅で殺害され、ファヨン事件と同じ状態で見つかります。真犯人が別にいることがはっきりする、衝撃の幕切れです。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 2話
ハヨンは刑務所に通い、ヤン・ヨンチョルに面会を申し込み続けます。ようやく会えたヨンチョルは、遺体の服を脱がせるのは犯人の「習性」だと語り、真犯人は別にいるとほのめかしました。
そんな中、女性の家に忍び込もうとした10代の少年チョ・ガンムが捕まります。ハヨンは、帽子の跡で潰れたガンムの髪に気づきました。指紋も最初の殺人現場のものと一致します。ハヨンは盗んだ物を書き出させ、祖母の話で心を揺さぶり、ガンムから自白を引き出しました。父親から受けた虐待をなぞるような犯行だったのです。
一方、警察には自白強要への批判が集まり、「犯罪者の助けを借りた無能な警察」という世論も巻き起こります。ヨンスはこの流れを利用して、犯罪行動分析チームを発足させました。
ラストでは、ハヨンが東部署を離れ、ほこりだらけの新しい事務室に一人で足を踏み入れます。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 3話
犯罪行動分析チームが本格的に動き出します。ハヨンとヨンスは最初の面談相手として、遺体切断事件で服役中のチャン・ドゥコを訪ねます。その後、末っ子メンバーのチョン・ウジュも加わりました。
そんな中、5歳の女の子の切断された遺体の一部が見つかる「チャンイ洞事件」が起きます。機動捜査隊のチーム長ユン・テグはプロファイリングを信用せず、情報の共有を拒みます。ハヨンはもう一度ドゥコに会い、遺体を切断する犯人の心理を探ります。ヨンスは、冷凍された遺体に冷蔵庫の跡があることに気づきました。
人手が足りないことから、上層部はテグに分析チームとの協力を勧めます。公式の捜査指示は出せないものの、非公式の協力が始まりました。
ラストでは、ハヨンが犯人の拠点と見たコンテナへ夜に一人で向かいます。暗かったコンテナに明かりがつき、ハヨンは「こいつが犯人だ」と直感します。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 4話
ハヨンとテグがコンテナに踏み込みます。住人のチョ・ヒョンギルは不在でしたが、整然とした室内と冷蔵庫から、犯人であることがはっきりしました。
翌日、川や下水道まで探しても、被害児の指が2本見つかりません。指紋鑑定の結果をもとに、ハヨンは「犯人自身も指が2本ない」と推理しました。テグとナム・イリョンが聞き込みでヒョンギルを追い詰め、格闘の末に逮捕します。推理どおり、ヒョンギルには指が2本ありませんでした。
ヒョンギルは「目についたから」連れ去ったと話し、反省のない態度にテグは激しく怒ります。被害児スヒョンの名前は、ヨンスの娘と同じでした。ハヨンは被害者宅の前に花を手向け、帰宅して一人で泣きます。
ラストでは、謎の男がヨンスの警察身分証を盗み、自分の写真に差し替えます。偽の身分証で夜道の女性を安心させる、不気味な姿が映し出されました。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 5話
チャンイ洞事件の成果が認められ、分析チームは存続します。ハヨンとヨンスは受刑者との面談を重ね、犯罪者のデータベースを作り始めました。
ヒョンギルとの面談で、後悔しているかと聞かれたヒョンギルは「あの子が運が悪かった」と答えます。ヨンスは怒りをあらわにしますが、ヒョンギルの図太い態度は変わりません。遺体切断犯ファン・デソンとの面談では、父親から受けた理不尽な暴力や、動物を殺していた過去が語られました。
一方、2002年のワールドカップの後、江南と鍾路の高級住宅で殺人が相次ぎます。どの現場も強盗を装いながら金品は取られておらず、鈍器が使われ、登山靴の足跡が残っていました。ハヨンは、殺すこと自体が目的の連続殺人だと直感します。
ラストでは、現場を出たハヨンの前に、規制線越しに真犯人ク・ヨンチュンが姿を見せ、二人の視線が交わります。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 6話
警察の上層部は成果を急かしますが、ハヨンとヨンスは事件を追い続けると決めます。
そんな中、高級住宅街で4件目の殺人が起きます。犯人は十字架を壊し、放火を試み、被害者宅のジャンパーを着て逃げていました。ハヨンは、犯行の間隔が空いたのは犯人が報道を気にしているからだと分析します。鈍器を選ぶ点には怒りが表れていると読み、公共交通機関で移動しているとも推理しました。テグはCCTVから犯人の後ろ姿を見つけ、登山靴のブランドも突き止めます。
ハヨンの提案で、後ろ姿だけの公開手配が行われました。殺人は止まりましたが、犯人の行方もわからなくなります。ヨンチュンは解剖学の本を買い込み、手配写真を見て警察をあざ笑っていました。
ラストでは、別の男が夜の校庭で刃物を研ぎ、帰宅途中の女性を玄関前で何度も刺します。もう一人の連続殺人犯の存在が浮かび上がり、パート1が終わります。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 7話
ヨンチュンが使った鈍器の正体はわかりません。ヨンスは手製の凶器ではないかと考えます。
一方、ナム・ギテは深夜に一人で帰宅する女性たちをレジャー用ナイフで襲っていました。ハヨンは過去の似た事件を調べ、被害者を振り向かせて正面から刺すという共通点を見つけます。テグは体格が似ているので同一犯だと見ますが、ハヨンは凶器と手口の違いから別人だと主張しました。「2人の連続殺人犯を同時に追わなければならない」という判断です。ギテは被害者が亡くなったというニュースを見て、笑みを浮かべていました。
その頃、ヨンチュンが性売買女性の連続失踪事件で逮捕されます。殺害を自白しますが、富裕層の老人殺しについては認めたり否定したりして、捜査をかき乱します。
ラストでは、現場検証の前にヨンチュンが発作を装って逃走します。追ったテグが刺されて倒れ、駆けつけたハヨンがナイフを持つヨンチュンともみ合います。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 8話
ヨンチュンは再び捕まります。供述どおり、山中から女性の遺体が次々と見つかり、警察は衝撃を受けます。ヨンチュンは記者たちの前で、女性や富裕層を非難するような発言をして世間の怒りを買いました。
拘置所での面談で、ヨンチュンは法医学の本で殺し方を学んだと自慢します。ペンで遺体の切断方法まで描いてみせました。ハヨンとの一対一の面談では、父親の暴力を受けた生い立ちを言い訳にします。富裕層や女性を罰するのは自分だと言い張り、殺人は「自分の仕事」だとまで言いました。ハヨンは「自分より弱い者を選んだだけの、みじめな殺人者だ」と突きつけ、ヨンチュンの虚勢を崩します。
その夜、ハヨンは初めてヨンスの前で酔いつぶれ、「なぜよりによって私だったのか」と問いかけます。
ラストでは、残る連続殺人犯ナム・ギテがまだ野放しであることが示され、新たな追跡が始まろうとしています。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 9話
ヨンチュンは捕まりましたが、ナム・ギテはまだ捕まっていません。ハヨンはギテを早く捕まえるため、「犯人になりきる」という危険な方法を選びます。新聞紙に包んだ包丁を手に、事件現場の公園に立つハヨン。ヨンスはその姿を不安げに見守ります。
一方、分析チームは科学捜査係の下に再編され、メディアの注目も集まります。ハヨンのもとには捜査の相談が次々と持ち込まれるようになりました。ハヨンは、ギテの手口が変わることや、放火に及ぶ可能性を予測します。そして、どちらも的中してしまいます。
そんな中、ギテが深夜に金を盗もうとして民家に侵入します。住人に見つかって息子を殴りますが、父子に取り押さえられ、逮捕されました。
ラストでは、取調室に入ったハヨンを見たギテが「ク・ヨンチュンを捕まえた人でしょう?」と口にします。ハヨンは「俺たちが探していた奴だ」と確信します。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 10話
ハヨンは、内向的で小心ながら攻撃性を秘めたギテの性格に合わせて話を進め、少しずつ供述を引き出していきます。
しかし、凶器から被害者のDNAという決定的な証拠が出ません。供述を覆されるおそれがあり、警察は焦ります。ハヨンはギテの心理を読み、血を拭いていない凶器を自宅から見つけ出しました。
2回目の面談では、ギテは殺人の快楽を自慢げに語ります。幼いころに受けた性被害と、自分も同じことを別の子にしていたことも明かしました。ヨンチュンへの対抗心まで見せるギテに、ハヨンは「お前は獣にも劣ると思うが、お前はどう思う?」と冷たく返します。
面談の後、ハヨンは怒りと衝撃を抑えられず、遺族のことを思い続けます。動揺したまま運転し、事故を起こしてしまいました。
ラストでは、意識のないハヨンが、水中で遺体を見た幼いころの記憶に引き戻されていきます。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 11話
意識を取り戻したハヨンは、これまでの人生を振り返ります。ヨンスに「チームには戻らない」と告げ、辞表を差し出しました。ヨンスは引き止めることができません。
そんな中、入院先の病院で、ハヨンはかつて自分が真犯人を捕まえた事件の被害者の母親に再会します。母親から心からの感謝を伝えられ、ハヨンは再び現場に戻る決意をします。
一方、ハヨンが入院している間に、ウ・ホソンが動き出していました。深夜のバス停で女性に声をかけ、車に乗せて殺害していたのです。京畿道で女性の失踪が相次ぎ、パク・デウンは事件の共通点に気づいて分析チームに協力を求めます。退院したハヨンはすぐに捜査に加わりました。
ラストでは、被害者のカードで現金を引き出す男や、助手席の人物の顔を隠すように走る車がCCTVに映ります。ハヨンはその映像の中のホソンに気づきます。
「悪の心を読む者たち」あらすじ 12話(最終回)
ハヨン、ヨンス、テグはウ・ホソンを追い詰めます。整った外見に高級車、人形や犬との写真を小道具に使う手口は、プロファイルどおりでした。ホソンは任意同行を翌日に延ばします。その夜、自分の車に火をつけて証拠を消し、平然と自ら通報しました。
翌日、緊急逮捕されたホソンは、取調室で「証拠を出せ」と開き直ります。ハヨンはホソンが主導権を握ろうとする手口を見抜き、それを封じていきます。やがて服についた血が被害者のDNAと一致しました。ホソンはついに、京畿道で失踪した女性たち全員を殺したと自白します。理由を聞かれると、「殺したかった」「自分がサイコパスだとわかっていた」と語りました。
ハヨンは遺族に黙って頭を下げます。時が流れ、ハヨンとヨンスは正式に任命された新しい犯罪行動分析官たちを迎えました。
ラストでは、刑務所のテレビにハヨンのインタビューが流れます。ハヨンは未解決事件の真犯人に向けて「科学は進歩し続ける。完全犯罪はない」と語りかけ、それを見つめる受刑者の姿で物語は幕を閉じます。
